動物病院は有人運営 or 無人運営?各要綱がわかると方針が決まる!

動物病院は有人運営 or 無人運営?各要綱がわかると方針が決まる!

動物病院の受付は、医院と来館者をつなぐ役割を果たすため、スムーズな動物診療の進行において重要な要素です。一般的に受付業務は少人数のスタッフで行うため、一人の受付スタッフが多くの来館者に対応する必要があります。そのため、有人の受付では、人為的ミスの発生や、会計などの待ち時間の増加につながりかねません。

院内の受付業務量を減らし、効率的な運営を実現するためには、無人受付を取り入れることが有効です。事前予約が主流となった現代は、獣医師や動物看護士以外のスタッフがいない少人数の運営も増えています。

有人受付の顧客ロイヤリティの高さに対し、無人受付はスムーズな入退店がメリットです。それぞれの方針で押し出す魅力は異なるため、自院に合った運営方針を判別する必要があります。

そこで本記事では、動物病院の有人受付、無人受付それぞれの特徴や実際に運営する際のポイントなどを解説します。

運営方針ごとの特徴

個人事業は、運営方針によって費用や施術のクオリティなどが大きく異なります。動物病院では、実際に施術をする獣医師のポジションは必須であり、現代技術では完全に機械やシステムにとって代わることはできません。しかし、その他の各業務において、システムを導入することで業務の負担を軽減することが可能です。特に受付事務や予約業務に関しては、無人化できるシステムがあります。

今回は有人と無人それぞれのメリットとデメリットを以下にまとめました。

メリットデメリット
有人運営・トラブル対応の迅速性
・来院者のロイヤリティ向上
・スタッフの人件費
・予約の煩雑化
・人的要因のミス
無人運営・人権費の削減
・セキュリティ対策
・スムーズな決済対応
・迅速な施術
・初期投資やメンテナンスの費用
・技術的障害
・緊急事態への迅速な対応の難しさ

有人受付

動物病院における有人受付は、特に顧客体験のクオリティと安全性が保証されていることにメリットがあります。動物医院の受付スタッフはレセプションとも呼ばれ、来院した顧客に出迎えや見送りをスタッフが行うことで、好印象を与えることが可能です。

他にも、スタッフがいることで問題や緊急事態が発生した際に迅速に対応できるため、来院者の不安を軽減できます。人間同士の積極的な接客を求める顧客をターゲットとするなら、有人受付で顧客満足度やロイヤリティを向上させることが有効な手段です。

しかし、予約管理など膨大な量の情報を扱う際、スタッフが管理することによる、人為的ミスを誘発する可能性があります。そういったことに対するリスクヘッジは必要です。受付にスタッフを配置する場合、アルバイトであればスタッフ1人あたりの人件費で、時給1,000円~1,500円ほどがかかります。動物医院の開業は、一般的に3,000万円かかり、初期投資としては非常に大きな負担です。スタッフを雇う場合、具体的に計画を立てて雇用することをおすすめします。

無人受付

動物病院の受付が無人である場合、スタッフにかかる人件費を削減できます。受付にデジタル化されたシステムを用いることで、人為的ミスの発生しない、スムーズな予約のスケジューリングが可能です。セラピストは施術に集中できるため、提供するサービスのクオリティが向上します。またシステムの利用は、完全予約制や受付レジの撤廃などが実現し、業務負担の軽減にも効果的です。

しかし、受付の無人化には多くの問題もあります。例えば、多くのシステムが有料なため、運営者は導入費を考慮して、システム化が人件費より安く抑えられるかを判断することが必要です。他にも、電子的エラーやネットワークエラー、技術的な障害などの事故にも気をつけなければなりません。発生したトラブルに迅速に対応できるスタッフがいない場合、対処に遅れが生じます。これらの問題を事前に予測し、発生したときの対策を練ったうえで、システムの導入を試みることをおすすめします。

スタッフ採用における要点

動物病院のスタッフを採用する際は、いくつかの要点を意識する必要があります。重要なポイントを考慮せずに人材を雇用すると、応募者の減少や採用後のトラブルにつながりかねません。ここでは、動物病院におけるスタッフ採用の要点について詳しく解説します。

採用する目的を明確化する

まず、どのような役割で動物病院のスタッフを採用するのか、どの仕事を任せるために雇うのかなど目的を明確にする必要があります。採用後に何の仕事をしてもらうかが明確でなければ、自院が求める人材は確保できません。

動物病院では、獣医師やトリマー、動物看護士や受付(レセプションを含む)など、求められる役割はさまざまです。採用目的をはっきりさせて求人を出すことで、応募者との齟齬が無くなります。

採用条件を具体化する

求人情報には、目的の明確化と同時に、内容の具体性が求められます。未経験可や週2日以上勤務など、求める条件を具体的に提示することで、働いたときのイメージがつきやすく、応募者が持つ入社後の違和感を減らすことができます。

採用条件で重要なポイントは、応募の内容や手間のハードルを上げすぎないことです。ハードルの高い希望や条件が多いと応募すらない状態が続く可能性があります。これは外せないという必須条件やこうしてほしいという依頼を明確にし、無理に求めすぎないことで応募者が集まりやすくなります。また応募方法にも無理なハードルを設けず、履歴書不要としたり専用サイトからの応募に切り替えるなど、手間のかからない方法を導入するのも1つの手です。

医院の強みを押し出す

求人サイトなどでスタッフを募集する際、月収〇〇万円以上可能や週2日勤務可能など医院の強みとなるポイントをアピールが必要です。ただし、強みをひたすら列挙することや誤解を与えるような内容は、逆に求職者を遠ざけてしまいます。ここでは医院の強みを強調できるポイントを5つ紹介します。

・医院のビジョン:企業の価値観や目指すものを明確にすることで、応募意欲が高まり、求めている人材とも出会いやすくなります。

・環境の特徴:仕事の雰囲気や、医院の環境など具体的な職場の特徴を示すと、求職者が自分が働く想像がしやすくなります。

・成長の機会:働いて得られるスキルや知識の記載は、やる気のある求職者を得られる可能性が高まります。

・福利厚生:健康保険、有給休暇制度、退職金制度、フレキシブルな勤務時間など具体的な福利厚生の説明があると、求職者は安心して応募できます。

・写真や映像:実際の職場の写真や映像があると、働くイメージがつきやすく、綺麗な医院であれば働くモチベーションの向上にもつながります。

求人方法にこだわる

求人方法はさまざまな種類があり、どの程度の規模で募りたいかやどのようなタイプの人を雇いたいかで適切な方法を選択すると良いです。

・求人サイト:求職者が希望条件を絞って求人情報を探せる、求人募集の最もポピュラーな媒体です。雇用形態やエリア、職種を自分で選ぶため、条件の食い違いが起こりにくくなっています。

・フリーペーパー:コンビニや駅に設置される求人方法で、掲載されるエリアで情報が分かれており、場所に制限があるものの、地域に密着した採用を望む場合には適しています。

・求人検索エンジン:Web上にある求人情報をまとめて検索するシステムで、求職者が多くの情報を得られる代わりに、その多さから埋もれてしまうことがあります。求人情報を発見してもらうためには、定期的な更新が必要です。

・人材派遣会社:クライアントの要望に応じて、最適な人材を紹介する人材派遣では、即戦力となる人材をいち早く獲得できます。

無事に目的の人材を確保できた後は、スタッフへ適切な教育を施すことが求められます。動物病院における運営の成功は、人材の採用から教育まで、重要なポイントを抑えることが不可欠です。

>>動物病院における人材の採用と教育におけるポイントを解説

無人受付でおさえておきたい要点

有人受付では、適したスタッフを配置すれば運営できますが、無人受付では、どのような機材やシステムを導入するべきかの知識が必要です。無人受付でのおさえておくべき要点を、実際のシステムとともに紹介します。

セキュリティ対策

動物病院の設備は高価であり、盗難や器物損害から守る必要があります。有人受付では、スタッフの監視により、トラブルが起きても迅速な対応が可能です。しかし無人受付では、獣医師などがセキュリティを管理する余裕はないため、監視カメラの設置や警報システムなど防犯能力の高いシステムの導入による設備の保護が求められます。

画像引用元:セコム公式サイト

セコムは建物や利用方法のタイプからそれぞれの施設にあった防犯システムを設置でき、考えられる課題やリスクを事前に対策できます。

ほかにもシステムの不正利用や料金未払いでの利用にも気を配らなければいけません。そういった場合には、顔認証システムや事前予約や決済、スマートロックなど、医院でのトラブルが起こらない対策が有効です。

オンラインでの予約

効率的な動物病院の運営には、顧客がかんたんに予約できる予約システムの導入が不可欠です。予約システムの導入は、無人受付では特に必須ですが、有人受付の場合も効果的です。オンラインでの予約やオンライン決済、スマートロック機能があると設備利用までのやり取りが簡略化されるため、顧客獲得の機会を逃しません。

画像引用元:RESERVA公式サイト

特にRESERVA(レゼルバ)は、登録事業者数26万社以上と国内最大級の導入実績を誇る予約管理システムで、入退室を自動管理するスマートロック連携や事前決済が可能なオンライン決済機能など予約管理にとどまらない経営に必要な機能が多数搭載されています。

顧客サポート体制

無人運営では、問題が発生した場合に対応できる電話やチャットのサポートシステムが欠かせません。無人受付にこのようなシステムがあることで、顧客が安心して医院を利用できます。

画像引用元:Chat Plus公式サイト

Chat Plus(チャットプラス)はチャットボット導入に関するサポートを行っており、問い合わせ対応にシナリオに沿った質問への回答やAI会話の機能といった運営方針にあわせた使い方ができます。

在庫管理

動物病院の在庫管理は、受付スタッフの業務として人の手で行われます。受付スタッフがいない運営の場合、在庫管理を自動で行うシステムの利用が必要です。

SmartMat Cloud(スマートマットクラウド)は、現場の実在庫をリアルタイムで可視化し、手間をかけずに在庫の一元管理ができるため、業務の効率化を図ることが可能です。ヒューマンエラーがなく、消費にあわせた最適なタイミングでの自動発注ができます。

動物病院の予約システムとは

動物病院の予約システムは、医院の予約や顧客の管理を自動で行うシステムです。無人受付の実現に、予約システムの導入は欠かせません。ここでは、予約システムの導入メリットと、動物病院の経営に役立つ予約システムの機能について解説します。

予約システムの導入メリット

予約システムを導入することで、動物病院の無人受付において大きな手助けとなります。以下は、そのなかでも特に効果的なメリットです。

・業務効率化
予約システムは予約受付や顧客情報を自動で管理します。人の手により紙やExcelで管理する必要がありません。書き間違いや聞き間違いなどの人為的ミスも発生しなくなり、正確で効率的な動物病院の運営が実現します。

・費用削減
予約システムの自動管理機能は、費用の削減にも効果的です。予約や顧客の情報はデータ化されるので、大量の紙や管理するスタッフに費やしていた経費は低減されます。

・マーケティングの強化
予約システムを通じて集められる顧客データを分析し、ターゲット市場の動向や顧客需要を把握することができます。このデータを基に、効果的なマーケティング戦略を立案可能です。

・来院者体験の向上
予約の確認や変更をオンラインでかんたんに行えることで、来院者の利便性が向上します。また、待ち時間の短縮やスムーズな受付が実現し、来院者の満足度も高められます。

動物病院の運営に役立つ予約システムの機能

予約システムはさまざまな種類が存在しています。それぞれ特徴が異なるため、自身の動物病院に合った予約システムを判別することが必要です。以下では動物病院に役立つ予約システムの機能をまとめました。

オンラインカード決済機能

オンラインカード決済機能は、クレジットカードやデビットカードなどの決済手段を用いてオンライン上で支払いを完了できる機能です。この機能を搭載した予約システムを導入することで、施術当日の決済業務を省き、来院者にかかる負担を軽減できます。

無人受付の実現には、オンラインカード決済への対応が不可欠です。予約システムを選ぶ際は、オンラインカード決済機能を搭載しているかを十分に確認することが大切です。

予約時アンケート機能

予約時アンケート機能は、予約時にペットの症状や状態などのカルテの記入を受け付ける機能です。事前にカルテを書いてもらうことで、来院時に顧客がしなければならない作業を減らせます。

また、病院側は施術前にペットの現状を把握でき、事前準備ができるため、施術の質の向上にもつなげられます。

準備時間設定の機能

準備時間設定の機能は、予約と予約の間に隙間時間を確実に確保できる機能です。例えば、10時からの予約を受け付けた際、準備時間を30分に設定していると、自動的に10時30分の予約の受付を終了します。この機能により、メニューの間に準備に要せる時間が確保できるため、獣医師は余裕をもって施術できます。

施術時間が伸びてしまいがちな動物病院では、準備時間設定機能がとても効果的です。

キャンセル待ち機能

キャンセル待ち機能は、予約が埋まっている予約枠にキャンセルが生じた際、キャンセル待ちをしている予約者に対して通知や予約の実施などを、自動で行える機能です。ペットの不調に対して不安を抱いている飼い主は、できるだけ早い施術を望んでいます。空いた予約枠に迅速に予約を組み込むことで、飼い主の不安を軽減し、医院への信頼性を高めることが可能です。

まとめ

今回は動物病院における、受付スタッフの有無についてそれぞれの運営方針の特徴やポイントを解説しました。動物病院の運営では、有人受付と無人受付のそれぞれの特徴を考慮したうえで、自院の運営における受付体制を決めていくことが求められます。顧客満足度、セキュリティ、人件費などさまざまな観点から自分の医院にあう方針を決めることが大切です。動物病院の開業の際や経営方針を見直す際は、ぜひ本記事を参考にしてください。

動物病院の運営には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!
美容室運営には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!画像引用元:RESERVA公式ホームページ

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顧客管理や予約業務をシステムに任せることで、有人受付でも無人受付でも多くの予算と時間の削減が可能です。ぜひ利用を検討してみてください。